第二章

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「あの子。最近ここの工場区エリアで警備を強化してるって話よ?」 「あいつ……また余計な事を……」  クシビが呟いた。この付近の異変種について調べているのだろう。おそらく単独での行動に違いない。ここは英装術士兵団の活動範囲外だ。  見張りを強化しているとはいえ、単独では出来る事などたかが知れている。変な所にまで首を突っ込まなければいいが……。 「何をしようとしているのかしらね。あの英装術士さんは」 「わからん。だが、余計な所にまで首を突っ込まれるのはごめんだ」  クシビが口調を強めた。これからどうなるか、少し動向を探る必要があるか――。  敵に感付かれて、余計な手を打たれる可能性がある。 「あなたの友達なんだってね。彼女」 「……昔の話だ」  クシビがそう言うと――そのままその場を後にするのだった。  一人で無茶をして突っ込んでいくのは、昔からのあいつの癖だ……。     
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