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「はあ、はあ……」
クシビが呼吸を整える。魔力は使い果していないが、もう少しで底を付きそうだった。
目の前には、男達が全員倒れ伏している。
「……これで終わりか」
安堵して銃を下ろす。バラバラになった武器や機材があちこちに散らばっている。
息を吐くと、クシビは端末に向けて魔力を込める。こんな違法術士でも、ある程度の報酬は払われるはずなのだが……。
そんな事をしていると、何やら不穏な物音が聞こえてくる。聞きなれた物音。耳に残るほど、何度も聞いた音だ。
『そこの術士! 武器を捨てろ!』
「………」
案の定、国下英装術士兵団だった。
国に選定され、その下に集められた治安維持を目的とした術士の兵団。
術士の中でも、優秀な者にしかなる事のできない兵団で、武装や魔術も一級品の物を持っている。政府の傘下である警護術士隊と共に、大規模な人数で形成されている。
そして、その中からとある人物が姿を現す。
「見つけたわよ……クシビ」
そう言って睨み付けてきたのは、英装の隊員服を纏った一人の女性だった。
クシビは表情を俯かせる。見知った顔であり、昔からの知人、友人でもある彼女――サキノジ・アヤメが、目の前に立ちはだかっている。
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