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全員にグラスが行き届いたところで俺が注文していた料理が到着。海柳と深星が中に運び入れてくるのを見て手伝おうとしたら、どういうわけか他にも料理を運ぶ人間がいた。
全員同じ白衣。研究所の職員で間違いないんだろうが、確か他の職員は休みのはずでは?つか、臣下がここにいるのを知られたらまずいんだが。
「おい海柳、話が違うぞ。職員全員休ませたんじゃなかったのか?」
「心配は不要だ、真代くん」
答えたのは深星だった。深星は声を小さくして、
「彼らは《アストライオス》日本支部の幹部、私の元部下だ。キミのことを知っているし、口外しないようには言ってあるから安心してくれ」
「あ、そうなのか?」
四人の見知らぬ男女、男は三人で女は一人。どうやらこいつらも深星同様に捕まっていなかったらしいな。田上っちたちが戦ったって言ってたのも四人だったが、もしかしてこいつらか?
「料理は適当でよかったんだよな?深星さん」
「ああ」
「ん?あんたの声聞き覚えがあるな」
「き、気のせいじゃないか?」
「あ、私もなんだかそんな気がするわね。………でも何故かしら、なんだか胸がムカムカしてくるんだけど…」
「ッ!?だっ誰かに似てるだけじゃないですかねぇアハハ!」
露骨に綾坂会長を見て表情を引き攣らせる茶髪でピアスを着けた男………あ、こいつわかったぞ。俺を最初に襲ってきた奴らの一人だ。
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