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「たらふく食って楽しむんだな。けど汚すなよ?俺らがあとで掃除すんだから。めんどくせぇのはごめんだからよ」
「あ、ああ……あれ?聞いたことあるな、この声…」
「他人の空似だろ」
「自由にしてくれ。我々のことは気にしなくていい」
「はい、ありがとうございます。………どこかで私と会ったことがありませんか?」
「気のせいだ」
「存分に食べてたっぷり太って醜くなりなさい」
「はあ!?ちょっと!今なんかボソッと言わなかった!?」
「幻聴じゃないかしら」
………ああ、わかった。わかっちゃったわ俺。なるほど、こいつらがみんなが戦ったって言ってた奴らで間違いないわ。
料理をテーブルに置いてそそくさと消えていく四人に含み笑いをしながら、敢えて触れずにみんなに向き直る。
「じゃあ料理も揃ったし、始めますか!みなさん飲み物はお持ちですかね?それでは、綾坂会長の魔力が戻ったのと、我が臣下ムーベルダイスの頑張りを祝いたいと思います!」
視線が集まる。
ついに開始だ、愉快なパーティーを始めようではないか。
「では俺に続いてグラスを掲げてください、行きますよ~………かんぱーい!!」
『かんぱーい!』
〇
「楽しそうにやってるねぇ、俺も行けばよかったかな?」
魔物と人間が和気藹々と楽しむ研究所の屋上で、黒髪を風に靡かせる一人の精霊が言った。
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