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顔を掴まれ、鼻先が触れるくらいの近い距離で少女は言った。
そして。
握り過ぎて大量の血を指の隙間から滲ませ、歯をカチカチと鳴らし全身を震わせる扇は―――リオシスは、膨らみ続け限界を迎えた憎しみという感情の爆発とともに叫んだ。
「アマイラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!!!!!!」
腹の底まで響く絶叫。
どこまでも広がる荒々しい声。
それを受け、聞いて、脳に染み込ませて、
「―――はぁあんっ…!」
顔を赤らめた恍惚な笑みを浮かべた。
「そう、わたくしの名はアマイラ。あなたのただ一人の大切な姉。あなたの全てを受け止める女」
荒い呼吸を繰り返すリオシスに、アマイラは心から喜んでいる笑みを向ける。
「やっとこの時が来たわっ…!あなたと寄り添う幸せな時間が、愛に満ち溢れた世界がここから始まるのよ!ふふふ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
「ッッッ――!!!!」
アマイラの両手を払い、後ろへ飛び退いたリオシス。剥き出しにした憎しみが支配し、全身から莫大な魔力が噴き出した。
「許さねえ…!!テメェだけはッ、絶対に許さねえぞォオオオオオ!!!!」
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