全ては少女の掌の上で

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「くふふ、そう、憎みなさい。もっと憎むのよわたくしを。ここに転がった"これ"を壊したわたくしをね」 爪先で小突いたのを見て、リオシスの頭の中で線が千切れる。ブヂリと鈍く大きな音が響いた。脳の芯にまで響く強烈なそれに最早理性のほとんどが飛んでしまっていた。 残った理性の欠片でアマイラの足元にいた久奈を【空間転移】で移動させ自分の遥か後ろへと飛ばす。リオシスとの距離がかなり近い朱美にまでは意識が向かなかった。それほどまでにぶちギレていた。 「あ゙あ゙あ゙あ゙ああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」 喉が裂けるほどの叫び。 そのあとにやってきたのは、邪魔な足枷の破壊だった。 リオシスの両目を始まりに全身から金色の光が一瞬だけ噴き出す。たったそれだけでリオシスにかけられた妖精シュリンの魔法『ロック』を全て壊し、人間界の、日本という島国にある小さな小さな公園の中で―――魔王が全てを曝け出した。 純白の光が巨大な柱となって公園内にある遊具全てを吹き飛ばす。近くにいた朱美は咄嗟に全力の魔力で爆炎魔法を放つがそんな物で抑えられる力ではない。 魔力に潰される。朱美はそう思った。 (―――、え……誰?)
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