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『……本当に変わった魔王だな。魔王臣下でもなく民である魔物でもないただの人間に何故そこまで出来るのか理解出来ん。あの小娘に恋慕でも抱いているのか?魔王である貴様が』
「そんなんじゃねえよ……例え綾坂会長じゃなくても、俺はこうしてると思う…」
『人間をどうしてそこまで想える?』
「知らねえ人間なら違ったかもな…結局理由は単純さ。俺の大事な友人だから助けたい、助けるって約束したからなんだろうな…」
『そうか。ならば、約束を果たせずに終わるがいい、魔王リオシスよ』
ブヂャンッッ!!!!と、橙色の手の中で黒が破裂した。容赦なく握り潰し、魔王リオシスを絶命へと追いやった。
「―――断る。終わる気はねえし、終わらせもしねえ」
声はノームの後ろから。全身に纏わせるように作った空間転移のゲートを潰されただけで、リオシスは寸前のところで移動して逃れていた。
「ダメだ。お前にはどうやっても勝てない。今の俺が持つ最強の力でもこの有り様じゃ、ホントに終わりにさせられちまう」
『わかっていても足掻くのか。感心するが、酷く見苦しいぞ』
「なんとでも言え。俺は約束を果す。会長を救う。だからお前には負けられない」
『どうやって?まだ手があるのなら出し惜しみなどするなよ。出す前に終わらせてしまうぞ』
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