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肉体を捨て、意思を持つ力となったその存在は最早生物とは呼ばない。
魔力を形にし、そこに意思を宿した存在を精霊と呼称するならば。
今のリオシスは、精霊と呼ぶに相応しい存在へと昇華した――!
「よくわかんねえが、お前がそこまで言うんなら結構すごいことなんだろうな」
『肉体を持つ者がそれをやるのがどれだけ至難なことか、貴様はわかっているのか?』
「別に難しい話じゃねえだろ。俺は【黒臨強化】っていう肉体を魔力と融合させる技術を持ってた。そしてついさっき、ウンディーネと戦っている時に魔力に意識を移すことに成功した。なら簡単だ、魔力と融合した肉体に意識を全て乗っけ、俺自身を魔力体にする。理屈をしっかり掴んでいれば簡単な話さ」
『………それそのものが至難であり、不可能な所業だと言っているのだ魔王リオシス。…いや、最早魔王ではないか』
光のベールに包まれたリオシスが腕を組むのが見える。黒い光がシルエットとなり挙動を読み取ることが出来た。
「金色の魔力か…『王の眼』が金色だし、それに反応して変色したのかな?なんにせよカッコいいな。新しい力って感じで使っててワクワクするぜ。………オラワクワクすっぞ!」
『では、そろそろ終局と行こうか』
「オラワクワクすっぞ!!」
『何を言っているんだ?』
「精霊がわかるわけねーか。あとでツッコミのエキスパートに見せてあげよ」
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