別れ

2/2
前へ
/2ページ
次へ
 こんな大きなもの、捨てられない。  そうやって自分に言い訳しながら、今日もこたつに入ってる。  ここからだとTVが正面だから、なんて言い訳しながら  こたつの狭い一辺に、二人で並んだよね。  だから、こたつ布団の右側には  まだ、君の香りが残っているよ。  冬でもミニスカートの、君の太ももに触れたくて  冬でも室内は暖かいからって穿いていた  ドライメッシュのハープパンツは、今はタンスの奥深く。  一人になった今も  僕はついつい右にスペースを空ける癖がついちゃったよ。  自然と体が右に傾いて  倒れそうになって、ハッとする事があるよ。  こんな大きなもの、捨てられない。  そうやって自分に言い訳しながら  涙を流している僕は  結局、ハーフパンツさえも捨てられずに  今もこうして  君を想い出すんだ。  「あったかいね」  そう言って微笑む、君の声と  君の笑顔を。  
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加