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「まずは軽いスキンシップだよな。ほら、美也子」
「ええ、試してみましょう」
足たち――足・祐希と足・美也子と呼ぶことにしよう――は、親指同士をちょんちょんとぶつけ合った。上の方で、何やら気まずそうに動く音がした。
「いい感じだな。お互いを意識してる。次はどうしようか」
「コタツの温度を上げてみましょうか。今は少し低めだから、ほっこりするくらいの温度に」
「いいな、それ」
足・祐希の賛同を受けて、足・美也子はゆっくりと動き小指を伸ばして温度設定ボタンを押した。
「これかしら……うーんよく見えないわね……」
「おい美也子、温度下がってるぞ。逆のボタンだ」
「あらごめんなさい、それじゃこっちね」
足・美也子は今度こそ正しいボタンを押した。だんだん温度が上がっていく。足たちには少し暑いくらいが、人間にとってはちょうどいいらしい。
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