高校入学

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 俺の後には、宮田雅文がいて、なんか怖い雰囲気が漂っている。  案の定、1年3組には知り合いは居なかった。  隣りの1年2組と1年4組には何人か居る。  小学校、中学校と一緒だった友人だ。  その中でも、特に仲が良いのは1年4組の宮田優。  1年2組にも居るが、気楽に付き合えるのは優の方だ。  それに、同じチャリ組だしな。  優もそうだが、俺もチャリ通学する。  家から学校まで約30分掛かるけど、そのうちに近道を調べよう。  バスもあるが、満員バスに揺られた後に、授業は受けたくない。  そもそも、乗り物酔いする性質だからな。  高校入学を機に、お父ちゃんからはiPhoneの許可を貰った。  カチコチでエリート頭の持ち主のお父ちゃんは、社員の人に聞いたらしい。  「今時の高校生はスマホとかiPhoneは必需品ですよ」と言われたそうだ。 ありがとう、社員さん。  それに、お母ちゃんは俺にとっては力強い味方だ。  なにしろお父ちゃんとは違い有言実行だからだ。  お父ちゃんと同じ昭和生まれなのに、カチコチではなく、やる事さえやっていれば後は遊んでても良いという頭の持ち主だからだ。  でも、1ヶ月のこづかいが4000円は安い。せめて5000円にして欲しい。  なので、お母ちゃんに強請ったら1学期の成績次第だって言ってきた。  くそお、勉強頑張るぞっ! でも、中学の時は2000円だったから、それを思えば跳ね上がったんだよな。  そのお母ちゃんも働きだした。  平日の午後15時から音楽教室をしていてピアノとギターをメインに教えてるのに、午前中はスーパーでパートしだした。まあ、金はある方がいいよな。
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