ドラマ脚本プロジェクト 応募作

3/3
前へ
/3ページ
次へ
 太郎が目覚めるとそこはビルの屋外階段の踊り場だった。見知らぬ場所に混乱する太郎だが上の階から声がかかる。見上げると一階上の踊り場には男が一人おり、ここがダンスバトルの控室だと知らされる。男の言葉に困惑する太郎だが、男は出番だと言って踊り場からビルの中へと消えていく。  これは夢だと自分を落ち着かせる太郎だが、ふいに腕に振動を感じる。いつのまにか左手首に腕輪が装着され、見るとそこには、バトルデス、と表示がされていた。半信半疑でビルの屋内へ太郎は向かう。  扉を開けるとそこにはリングが設置され、大勢の観衆が太郎を迎えた。レフェリーの案内でリングに上がる太郎だが、目の前に立つのは先ほど屋外階段で会った男であった。レフェリーによると、このダンスバトルに勝てば次のバトルへと駒を進めるという。  太郎の戸惑いをよそに男が踊りはじめる。男のダンスを見て太郎もダンスへの思いが溢れ出す。後攻で踊った太郎はより大きな歓声を受け、勝利する。勢いづいた太郎はその後KABAちゃんやパヒュームといった猛者との戦いを経て、ダンスへの愛情を再確認する。    ゾーンへと入りつつある太郎の前に強敵三浦大知が現れる。臆することなく今ある力を出し切り踊った太郎だが、三浦の圧巻のパフォーマンスに敗北する。膝をつく太郎だがそこへ踊りバトルのマスターマイケルジャクソンが現れる。太郎のダンスに可能性を感じたマスターは、太郎を弟子にして育てたいと誘う。  突然の話に興奮する太郎だが、レフェリーから弟子になれば二度と下界へは戻れないと言われる。走馬灯のように家族や友人の顔が浮かぶ太郎、マスターを見据え深く頭を垂れる。    大学に来ない太郎を心配し電話する友人。無人のアパートでスマホが鳴っている。そのそばには書きかけの履歴書だけがある。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加