独り

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独り

長袖に腕を通して 風吹く歩道を歩く 通りすぎる風は冷たいけれど 冬になりきらないこの季節はまだ微かに暖かい 海辺の空気が胸を焼く "ああ、今宵は満月ですね" 泣きだしそうな空に問う "100年目に咲く百合の花のよう" 水面に映った画面は一人きり 届かない答えを叫んで夜を待つ
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