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第四章 老いた王族
~再びあぜ道にて~
「で?あんたはどうしたいんだ?」
みるるはその灰銀の瞳で老人を睨んだ。
「ああ・・・囚われのお姫様に邪悪なドラゴン!旅立つ騎士と魔法使い・・・おお!素晴らしき冒険の日々!!わしはな、若い頃は冒険者になりたかったんじゃ」
一人でテンションが上がっていく老人を置いてみるるはフラルの頬をぺちぺちと叩いている。
「おお!青春よ再び!ビバ冒険!ビバ青春!」
みるるはフラルの腹をどすどすと殴っている。
「ビバッ、ビバッ!」
「びばっ、びばっ!」
フラルも何かよくわからずに一緒に叫んでいた。
「で、あんたもついて来るのね?」
「びばっ、びばっ!」
「ビバッ、ビバッ!」
みるるはアサルトライフルの台尻で思いっきり二人の後頭部を殴った。
「ひ、非道・・・」
「うるせえ。殺すぞ。そろそろ。ちなみに香典は出さねえからな」
冷たく光るみるるの瞳に二人はごくりと唾を飲む。
「わ、わしらでパーティーを組もうじゃないか。魔法使いと、騎士と、えーと・・・」
老人は自分を差し、次にみるるを差す。そしてフラルの前で手をさ迷わせた。
「じゃあ俺、囚われのドラゴンでいい」
「色々混ざっとるわあ!」
みるるはアサルトライフルの台尻でフラルの腹を突く。
ちょっぴり激しいつっこみにフラルは蹲る。
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