第六章 賢者と死体

5/5
前へ
/25ページ
次へ
みるるのコルトが火を噴いた。 「次やったら中華風にツッコむからな。ったく…『行』くよ、アルベルト」 みるるはコルトを胸にしまって剣に口付けた。 剣はちちちち、と虫のような音を出して薄い黄色に発光し始める。 「質量『増』加。FeからFeO2へ、FeO2からFe2O3へ!」 みるるの持つ剣がずっしりと重くなった。 「キィッ!」 ピーター君がみるるに真っ直ぐ向かってくる。 「アルベルト、『切』れ」 剣がピーター君の肩に当たった瞬間。 剣の切っ先は針よりも細くなり、ピーター君を袈裟懸けに切り裂いた。 ピーター君の死体から赤い霧のようなものが清散華に向かって漂っていく。 霧が清散華の中に入っていくと、ぴくりとミイラが反応した。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加