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みるるのあまりに突飛な言葉に、一瞬沈黙が場を支配する。
ところがすぐ、がし、とみるるの肩を清散華が掴んだ。
「それは、もしかして『エプシア王国』ではないかね!?」
「うおっ!びっくりするじゃないかおっさん…。そうだよ。エプシアだ。アルベルトに彫ってある銘と同じ」
みるるは剣を抜く。剣の根本に、Epceaと飾り文字で彫ってあった。
「この剣には『永遠なる平和』の願いがこめられてる。滅んだ王家の剣だ。戦争ばかりのその国に愛想を尽かして、この王家の守護神が王家を見放してもといた次元に帰っちまったのさ…」
く、とみるるはシニカルに笑う。
「この剣は戦うための剣じゃない。守るため、慈しむための力だ。エプシアは…戦争をしない国にするんだ」
王さまはぎょっとした。
戦争をしない?この混沌とした世界で?無理だ!
「僕が王になってその国をとりあえずのところ守る。そのうち王の要らない・・・共和制の国にするつもりだ」
更に王さまは驚く。
「共和制?あの伝説のか?!」
「伝説じゃないよ。『白の堕胎』以前では普通に存在していた政治形態なんだ。ただ、今の世界では・・・大きな力を持つ『王家』なしには秩序が保てないから、どの国も独裁君主制になってるけど・・・」
へえ、とフラルが感心して声をあげた。
「それで、なんでノルウェイ金貨がいるの?」
「ああ。言っただろ?金貨で、ノルウェイの土地を買うのさ。ノルウェイの王様と知り合いでね。安くで自治区を売ってくれる約束を取り付けた」
ああ、と王さまが手を打つ。
「自治区天国か。確かノルウェイは財政難で、領地を貸し出すという名目で切り売りしているらしいな」
に、と笑ってみるるが頷いた。
「目標はミヤザワケンジのポラーノ村だ。人も、自然も、傷つけない国にするんだ!」
じわーん、とフラルの目に涙が浮かんでくる。
「す、す、・・・」
す?とみるると王さまと清散華が聞き返した。
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