第七章 エプシア

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「氷酢酸ならあるぞ」 清散華が棚から目にまでクル芳香の強い液体をフラルの鼻に近づける。 「す・・・すごいよみるる!」 清散華を殴り倒しながらフラルが叫んだ。 「いったー!賢者殴られて傷つ痛-!!」 ちなみにきずついたと読む。 「死ね洞窟引きこもり。じゃなくて、すごいよみるる!いいよその国!俺も国民に成りたい!いいだろ?」 「なにい?」 みるるは眉を寄せた。 「あ・・・」 突然フラルの覇気が無くなる。 「そうだよね・・・俺悪魔だもん・・・国民なんて・・・」 「いや、そうじゃなくてだな、本当に良いのか?」 みるるが眉を寄せたままフラルの目を覗き込んだ。 「電気も、水道も、娯楽施設も無い。退屈で、不便な暮らしだぞ」 にぱ、とフラルはぎこちなく顔を歪めて見せる。笑ったらしい。 「俺、国民第一号!」 「・・・いや、すでに何人かの農民が入ってるから・・・」 「じゃあ、俺、悪魔国民第一号!」 「・・・二号目は欲しくねえなあ・・・」 ちょんちょん、と王さまがみるるの肩をつつく。 「わし、賢者国民第一号」 「え、いいのか?」 にっこりと王さまは笑った。ううむ。こうしてみるとなかなかに渋みのある顔である。 ・・・露出狂でさえなければなあ・・・。 「わしにはもう帰る国はないよ。よろしく、みるる王」 王さまはみるるに左手を差し出す。 みるるはその手を固く握った。 「入るのはいいけど、君たち何か一次産業能力持ってるんだろうな?」 え゛、と清散華がかえるの様な声を出す。 「そ、それは魔術とかじゃだめなのかい・・・?」 清散華に尋ねられ、もちろん、とみるるは頷いた。 「・・・僕も、賢者国民第二号になりたいんだけど・・・何も、できない・・・」 みるるはうっかり目から心臓が飛び出すところだった。 ~空にて~ うたう とりと うたう くも どうして そこに あるか など かれら じしんも しらない こと そのまま いきて いけない なら さがし ましょう いきる ばしょを とべる くうきを そだてて くれる どこかの くにを さがし ましょう
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