第八章 ベリ○ルと猿

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~あぜ道にて~ 「じゃあ、僕は先にノルウェイに行ってるから。早く国買ってね、みるる王!!」 手を振る青年。傍にはチンパンジーが付き添っている。 チンパンジーの胸にはちゃんと悪魔の紋章が入っていた。 ちなみにその悪魔は誰でも知っている悪魔で、みるるはうっかり『こんなべ○アルなんかと契約できるような偉大すぎる魔術師はさっさと死んだほうがいい』と清散華を殺しかけるというちょっとしたハプニングもあったが、全員でなだめて事なきを得た。 「ああ。気をつけてな」 少しずつ清散華の背中が小さくなっていく。 また少しずつピーター君に血を吸われていた。 「大丈夫かな、あの賢者・・・」 そうみるるが呟くと、 「大丈夫でしょ。ミイラになっても生きてたし」 と、フラルが返した。 「二人ともピーター君がまた暴走したら被害者になるであろうたまたま傍にいる人々の事はどうでもいいんだな・・・」 ふと遠い目をして、王さまが呟いた。 ~『エプシア王国戦記』より~ 悲しみよ憎しみよ後悔よ 人はその上に理想を創った 血と骨と嗚咽の上に 理想郷が今 産まれる その名はエプシア 平和の国 そしてとうとう 現れなかった国・・・ (フランス王国:ジャーナリストの手記より抜粋)
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