第二章 浪人と露出狂

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第二章 浪人と露出狂

~牢の中にて~ 「よおし、そこまで言うんだったら王族である証しを見せてやる。この剣、アルベルトの・・・」 みるるは腰に手を伸ばす。 左手で一生懸命腰の辺りを探るが、其処には何も無かった。 「え・・・僕の剣が無い!」 闇の中で誰かが上品に笑った。 「武器を持たせたまま牢に入れるわけがなかろう」 みるるとフラルは牢の片隅の闇の中に目を向ける。 牢の中には、もう一人いたのだ。 「誰だか知らねえが、タチがワリいな。黙って人のこと見てるなんて」 目を細めてみるるが言うと、おお怖い、と闇の中の人物がおどけて見せた。 「明かりの下に出てきやがれ」 すっ、と人物は光の下に出てきた。 精悍な顔立ちの老人。 「あんたは・・・」 みるるははっと息を呑む。 「・・・変態?」 老人の股間に視線を集中させて。
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