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プロローグ 月夜に輝くその裸体を札束で弄ぶ
なんで、俺はこんなことを……。
そんな考えは、腰を引けばズルリと擦れる快感と一緒に頭から消えていく。
腰を打ちつければ彼が「ああっ」と甘い声をあげ、体をくねらせた。
月明かりで彼の背が照らされ、肌が汗で光る。
たまらない……。
どうしてこうなったんだろう、そんなことはどうでもよくって。
ご馳走を目の前にしたように、俺は生唾を飲み込んだ。
彼の腰をがっちりと掴みなおすと、もう一度打ちつけ、次はそのままグリグリと中に押し当てた。肉壁をえぐるようにすると黒川くんの足が痙攣する。
「あぁあああぁっ……」
彼が獣のような声で喘ぎ、息も絶え絶えに「もぅ……俺、ダメです……。気持ちよすぎて、おかしくなりそ……」と言った。
その言葉だけで興奮させられる。
もう限界なんだろう。さっきから黒川くんの足は震え、小ぶりな彼の陰茎はほとばしりで布団にシミを作っていた。
両手をついている彼の脇を抱きかかえ、繋がったまま俺の上へ座らせる。
「ひゃぁっ……」
驚くほど軽い彼だが、串刺しのような体勢になるとさっきよりも深く刺さったのだろう。苦しそうに鳴いた。
彼を抱きなおした時、布団の隅にお札が転がっているのを見つけた。
そうだ……思い出したぞ。俺はお金がない黒川くんを買ったんだ。
それを思い出すと悪戯心が顔を出す。
俺は黒川くんの細くて白い太ももを軽く叩いた。
「何、自分だけ気持ちよくなろうとしてるんだ。しっかりと俺を楽しませなさい」
命令にも似た言葉に、俺を見上げる黒川くんは一瞬泣きそうな顔をした。
「わかりました……。ね、寝転がってください……」
黒川くんは、なんて従順で可愛らしいんだろう。
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