2.思うは少年のことばかり

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 い、今なんて? 「ば、晩ごはん?」  黒川くんは俺のシャツで涙を拭ったかと思うと「俺、あの人に抱かれて、今日の晩ごはん買おうとして、たのに……」と言葉を詰まらせながらも言った。 「と、とにかく落ち着いて! ささ、座って」  俺は泣き止まない黒川くんを椅子に座らせなおす。俺も隣に座ると落ち着かせるためにビールを追加した。  黒川くんも晩ご飯を食べていないと言っていたようだから「奢るよ」と言って、好きなものを注文させてあげた。 ***
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