第1話 煉獄

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デズモンドという名前の生き物は、幸紀の方に向かってちょこちょこ歩いてきた。 幸紀はどうしてかわからず、あからさまに狼狽えた。 「…え?えっと…?」 「はじめましてでゲス管理人様!!私はデズモンド・スリッパーと申し上げますでゲス!」 「は、はじめまして…?」 「これからよろしくお願いいたしますでゲス!これお手紙でゲス!!どうぞ!!」 足元まできて、白い封筒を幸紀に精一杯背伸びして渡してきている。 「あ、ありがとうデズモンド。」 可愛らしい姿に、幸紀はくすりと笑う。 手紙を受け取ったとたん、デズモンドの首根っこをアルフォンスが掴み上げる。 「んにぎゃ!!!」 「さて、用が済んだなら仕事に戻れ。」 「わ、わわわわわわかりましたでゲス!!失礼しましたぁ!!」 デズモンドは、するりとアルフォンスの腕から逃げ、そのまま何と壁をすり抜けて出て行った。 「不思議な生き物ですね。」 「ここの従業員ですよ。それよりも、貴方私よりデズモンドには警戒心を解くの早かったですね。」 「可愛い生き物だったので。」 「扱いの差が気になるところですが、そのお手紙を開けていただけますか?」 「大の大人が気にしすぎでしょ…。」 呆れつつも、封筒の封を丁寧に剥がす。 中には1枚の紙が入っていた。 広げてみると、1行目に『白崎幸紀殿』とある。 幸紀に宛てたもので、間違いないようだ。 「えっと…【おめでとうございます。審査結果により、貴方は煉獄の管理人になりました事を、ここにお知らせいたします。】 What?」 審査?何の? 管理人?何それ?
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