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デズモンドという名前の生き物は、幸紀の方に向かってちょこちょこ歩いてきた。
幸紀はどうしてかわからず、あからさまに狼狽えた。
「…え?えっと…?」
「はじめましてでゲス管理人様!!私はデズモンド・スリッパーと申し上げますでゲス!」
「は、はじめまして…?」
「これからよろしくお願いいたしますでゲス!これお手紙でゲス!!どうぞ!!」
足元まできて、白い封筒を幸紀に精一杯背伸びして渡してきている。
「あ、ありがとうデズモンド。」
可愛らしい姿に、幸紀はくすりと笑う。
手紙を受け取ったとたん、デズモンドの首根っこをアルフォンスが掴み上げる。
「んにぎゃ!!!」
「さて、用が済んだなら仕事に戻れ。」
「わ、わわわわわわかりましたでゲス!!失礼しましたぁ!!」
デズモンドは、するりとアルフォンスの腕から逃げ、そのまま何と壁をすり抜けて出て行った。
「不思議な生き物ですね。」
「ここの従業員ですよ。それよりも、貴方私よりデズモンドには警戒心を解くの早かったですね。」
「可愛い生き物だったので。」
「扱いの差が気になるところですが、そのお手紙を開けていただけますか?」
「大の大人が気にしすぎでしょ…。」
呆れつつも、封筒の封を丁寧に剥がす。
中には1枚の紙が入っていた。
広げてみると、1行目に『白崎幸紀殿』とある。
幸紀に宛てたもので、間違いないようだ。
「えっと…【おめでとうございます。審査結果により、貴方は煉獄の管理人になりました事を、ここにお知らせいたします。】
What?」
審査?何の?
管理人?何それ?
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