第1話 煉獄

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目が点になる幸紀。 「貴方の反応もごもっともです。」 アルフォンスはのほほんとしていた。 「説明する前に手紙が先に届いてしまいましたね。まぁ、いいでしょう。貴方は管理人に選ばれたのです。私と同じ、管理人に。貴方方人間は、死神と呼んでいますが。」 幸紀はまだ呆然としている。 言葉の意味を読み込むのに、時間がかかっているようだ。 しばらくして、幸紀は一言だけ呟く。 「…Why?」 「先程から何故ちょくちょく英語になるんです?」 「え、いや、だって…どうして私が管理人になるんですか?」 困惑気味の幸紀に、アルフォンスは若干言いにくそうにしていた。 「実はですね…煉獄は人手不足なんですよね。」 「そんな事あるんですか…。」 「情けない事にあるのです。そこで、今すぐには転生不可能な魂も候補に入れて、新しい管理人を探しておりました。結果…貴方が選ばれたのです。」 「…私が転生されない死にかけの魂だからって理由で?」 選ばれた理由が、嬉しくない。 幸紀は呆れた顔をする。 「他にも条件はありますが、その全てを揃えた魂は貴方ぐらいですね。聞きますか?」 「…もう頭がパンクしそうなので、いいです。」 魂やら煉獄やら、幸紀には理解するのがやっとの話ばかりだった。 その上、管理人とか死神とかいう謎の役職に勝手にされている。 (…受け入れないと、先に進まない。) 戸惑っていても仕方がない。 今自分の置かれている立場を把握し、これからの事を考える必要がある。
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