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目が点になる幸紀。
「貴方の反応もごもっともです。」
アルフォンスはのほほんとしていた。
「説明する前に手紙が先に届いてしまいましたね。まぁ、いいでしょう。貴方は管理人に選ばれたのです。私と同じ、管理人に。貴方方人間は、死神と呼んでいますが。」
幸紀はまだ呆然としている。
言葉の意味を読み込むのに、時間がかかっているようだ。
しばらくして、幸紀は一言だけ呟く。
「…Why?」
「先程から何故ちょくちょく英語になるんです?」
「え、いや、だって…どうして私が管理人になるんですか?」
困惑気味の幸紀に、アルフォンスは若干言いにくそうにしていた。
「実はですね…煉獄は人手不足なんですよね。」
「そんな事あるんですか…。」
「情けない事にあるのです。そこで、今すぐには転生不可能な魂も候補に入れて、新しい管理人を探しておりました。結果…貴方が選ばれたのです。」
「…私が転生されない死にかけの魂だからって理由で?」
選ばれた理由が、嬉しくない。
幸紀は呆れた顔をする。
「他にも条件はありますが、その全てを揃えた魂は貴方ぐらいですね。聞きますか?」
「…もう頭がパンクしそうなので、いいです。」
魂やら煉獄やら、幸紀には理解するのがやっとの話ばかりだった。
その上、管理人とか死神とかいう謎の役職に勝手にされている。
(…受け入れないと、先に進まない。)
戸惑っていても仕方がない。
今自分の置かれている立場を把握し、これからの事を考える必要がある。
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