第2話 妖美な天使

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アルフォンスにモーニングスターを突き付け、そう問責する。 ジェニフェールの顔は、冷たい無表情だった。スカイブルーの瞳が、特にその冷然さを際立たせる。 美女はどんな顔でも、絵になるんだなぁとまたもや、呑気な事を思う龍紀。 「以後気を付けます。」 「本当にね。この子の直接の上司なんだから。ちゃんとやってちょうだい。」 ジェニフェールはすぐに怒りを引っ込め、ボロボロのテーブルに紙幣らしきものを置いた。 「私1度この事を報告しに、本部に行くわ。あと入ってるのは、魂狩りの新しい手配書よ。」 軽蔑するように、封筒を見るアルフォンス。 先程の魂の情報が書かれた書類を抜いても、本1冊分の分厚さがあった。 「…こんなにいるのですか。」 「馬鹿ばっかりよ。厄介なやつもいるけどね。」 先程まで持っていたモーニングスターは、すでにジェニフェールの手から消えていた。 ジェニフェールはその空いた手を、龍紀の頭に置き、ゆっくり撫でる。 突然の事にびくりと肩を震わせたからか、ジェニフェールはあまりしつこく触らなかった。 「次会う時敬語も無しで、ジェニーってちゃんと呼んでね。じゃあね、可愛いお嬢ちゃん。」 嬌笑を見せて、スタスタと去っていった。 ジェニフェールが去ってから、アルフォンスは頭を下げる。 「またもや、申し訳ありません。まだ説明しきれておらず…。」 「いやいや!!頭下げなくても、いつかは知れたかもしれないんだし。」 「それまでに、何かあったら遅いではないですか!」 「え、ご、ごめん。」 また逆に謝る形になった。 アルフォンスは、しばらく下の方を見つけていたが、ほどなくして龍紀の方を向いた。 「…管理人の仕事は、危険がつきものです。」 「き…危険?」
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