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アルフォンスにモーニングスターを突き付け、そう問責する。
ジェニフェールの顔は、冷たい無表情だった。スカイブルーの瞳が、特にその冷然さを際立たせる。
美女はどんな顔でも、絵になるんだなぁとまたもや、呑気な事を思う龍紀。
「以後気を付けます。」
「本当にね。この子の直接の上司なんだから。ちゃんとやってちょうだい。」
ジェニフェールはすぐに怒りを引っ込め、ボロボロのテーブルに紙幣らしきものを置いた。
「私1度この事を報告しに、本部に行くわ。あと入ってるのは、魂狩りの新しい手配書よ。」
軽蔑するように、封筒を見るアルフォンス。
先程の魂の情報が書かれた書類を抜いても、本1冊分の分厚さがあった。
「…こんなにいるのですか。」
「馬鹿ばっかりよ。厄介なやつもいるけどね。」
先程まで持っていたモーニングスターは、すでにジェニフェールの手から消えていた。
ジェニフェールはその空いた手を、龍紀の頭に置き、ゆっくり撫でる。
突然の事にびくりと肩を震わせたからか、ジェニフェールはあまりしつこく触らなかった。
「次会う時敬語も無しで、ジェニーってちゃんと呼んでね。じゃあね、可愛いお嬢ちゃん。」
嬌笑を見せて、スタスタと去っていった。
ジェニフェールが去ってから、アルフォンスは頭を下げる。
「またもや、申し訳ありません。まだ説明しきれておらず…。」
「いやいや!!頭下げなくても、いつかは知れたかもしれないんだし。」
「それまでに、何かあったら遅いではないですか!」
「え、ご、ごめん。」
また逆に謝る形になった。
アルフォンスは、しばらく下の方を見つけていたが、ほどなくして龍紀の方を向いた。
「…管理人の仕事は、危険がつきものです。」
「き…危険?」
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