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「これから初のお仕事でゲスか?」
「そうだよ。これからよろしく。」
「こちらこそでゲス!」
ちょこんと頭を下げるデズモンド。
和やかな雰囲気の2人の間に、威圧感たっぷりにアルフォンスが割って入る。
「デズモンド。昨日来た新規のゲヒルンを持ってこい。無駄話はやめろ。」
アルフォンスが冷たい視線を向けて言うと、デズモンドは大袈裟に肩を震わせた。
「は、はい!!ただいまお持ちいたしますでゲス!!」
デズモンドが走り去る姿を見ながら、幸紀が呆れたように言った。
「そんなに強く言わなくてもいいんじゃないのか?てか、俺が呼び止めちゃったんだし。」
「いいえ、きつく言うくらいでいいのですよ。あれは、私の配下であり、武器ですので。」
「武器?」
あの小さな生き物には、不釣り合いと言える言葉に、幸紀は首を傾げてみせる。
「ええ、あの性悪堕天使ごほん!!ジェニフェールがおっしゃっていた武器でございます。」
「咳払いで誤魔化した意味全くないからな。最後まで言っちゃってるからな。てか、いくらなんでも年下の女性に失礼だぞ。」
幸紀がそう非難する。
それにアルフォンスが腑に落ちない顔をした。
「何だか、貴方私以外の人間にばかり優しくないですか?」
「気のせいだろ。」
「私の方が先に会ったというのに。私には冷たいように思えますねぇ。」
「いい歳して拗ねるな。」
「ほら冷たい!」
「あ、デズモンド!うわぁ、それ多いなー。」
意識を向けるように、デズモンドの方を見て言った。
デズモンドはゲヒルンらしき本の山をかかえ、ふらつきながらこちらにゆっくりとやって来ている。
1冊1冊が百科事典のように分厚い。
今にも落としそうな本の山に、幸紀は慌ててデズモンドの側に駆け寄る。
「悪いなデズモンド。俺持つよ。」
幸紀の言葉にデズモンドは恐慌した。
「な、ななななな何をおっしゃるでゲス!?管理人様にそのような事をさせてはいけません!!」
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