万能の神

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アルマダの言葉にルナは困ったように笑いながら、ほんのり色づいた頬を掻く。 確かに割合貴重な二人きりの時間ではあったが、今はリリアさん宅の俺達に割り当てられた私室ではなくマリアさんの店での留守番の真っ只中。 してることといえばお茶を飲みながら喋ったりストレージに溜まったアイテムを整理したりと、そんなものである。 「日曜日となると、三日後か。結構急だけど、備えは整うのか?」 「ああ、こっちはいつでも行けるように準備を整えてたからな。最後の班がクエストを手こずってる間にある程度の備えはできてたんだ」 「手伝ってやればよかったのに……」 「俺達もそうしてやりたかったのは山々なんだが、手こずってたのが剣闘士のパーティーでな」 「ああ……」 アルマダは明言しなかったが、確実にそのパーティーは剣闘士の一軍だろう。 プライドの高いトゥラケスのことだ、きっと二進も三進もいかなくなるまでは自分達の力でやろうと躍起になっていたに違いない。 そんな彼の性格を知っているアルマダ達は奴の方から助けを求められるまでは静観するつもりだったらしいが、結局彼らは自分達だけの力でクエストをやり遂げたとのこと。 その間にアルマダ達がそのパーティーの分の戦備を用立てておいたため、あとは彼らの武器のメンテを待つのみといったところらしい。 「まあウチは今フットワークも軽いし、多分全員参加できると思うよ」 「そうか、急な申し出だったのにすまないな」 普段であればシャインとマリアさんの二人に仕事が入ってたりでこれだけ急な話になるとスケジュールの管理に相当苦心するか、潔く全員参加を諦めなければならなくなるが、今は年度末ということで天城のアイドルとしての仕事を絞っており、繁忙期に比べればスケジュールを押さえること自体は容易だろう。
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