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「そうかい、それなら遠慮なく始めさせてもらおうか。セオリー通りだ! 行くぞ野郎共!」
敵戦力の分析を始めたところで、アルマダが吼える。
それに追従して前線組の野太い鬨の声が上がると、まずは足の速い楽園と剣闘士の軽装アタッカー達が第一陣としてヘルメスの取り巻きのニンフ達の元へ流れ込む。
他プレイヤーによるパーティーと戦う時のセオリーとして、まずは回復、バフ、デバフなどの後方支援を担う白魔法使いを潰すというものがある。
乱戦の中で自分や相手のステータスが目まぐるしく変わるような状況は無用な混乱を招きかねず、欲を言うならば相手の支援は断ち、自分達の陣営の支援効果は最大限活かすという戦いの運びを徹底したい。
相手の支援を断つのに最も手っ取り早い方法は、当たり前だが相手の白魔法使いを排除してしまうこと。
足の速いメンバーで攻め込み、耐久度自体はそう高くないであろう白魔法使いを真っ先に消してしまうというのは戦術的にも理にかなった選択だろう。
「【ホワイトアウト】」
「【エクスプロージョン】」
どちらが黒魔法使いか白魔法使いかはともかく、まず長杖を装備した、一目で魔術師系のステータス構成であろう二人から狩ることにしたらしいプレイヤー達が襲いかかろうとした刹那、二人のニンフが全く同時に杖を掲げ、全く同じ声で魔法名を唱え、俺達の視覚と聴覚を純白の閃光と爆炎、爆音が支配した。
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