My Sweet...side lovers

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  昨日は、初めて彼女の家に招待されていた。 でも、やっとケーキ売りのアルバイトが終わった後、彼女の姉が。 思い出しかけて止める。 言い訳にしかならない。 「……ごめんね」 じわりと、見つめる瞳がうるんだ。 「姉様には、ケーキより、あなたを持って帰って来て欲しかったわ」 あの姉に持って帰られたなら、きれいに折り畳まれて焼酎にでも漬けられていそうだけれど。 想像を振り払い、サトルは急いで鞄の中を探る。 「ごめん。遅れたけど…クリスマスのプレゼント」 掌におさまる小さな箱は、受け取った両手のなかで、すぐにリボンを解かれた。 中には、グラスに詰められた、シュシュと花の飾りがついたヘアピン。 拗ねていた彼女の瞳に、別の輝きが映った。 「つけて?」 さっそく髪へ挿そうとするが、サトルには難しい。四苦八苦する肩は白くなり、ついには枝から雪の塊が落ちてきた。 「まあ」 彼女がやっと笑った。 「大丈夫?」 「びっくりした」 ハンカチで拭いてもらう鼻先を、良い香りがくすぐる。 「暖かい所に行きましょう?」 「……うん」 花と焼菓子の香り。優しい暖かさ。 きゅんときて、我慢できずに抱きしめた。 「大好き」 くすくす笑われ、贈り物が彼のセレクトでない事も、すぐにばれたけれど。 「お誕生日、おめでとう」 サトルはやっと、彼女に笑顔を見せられた。 <おわる>
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