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っっ!まぶしいっ。
男の手に自分の手を重ねた瞬間、目の前が一気に明るくなる。
「うぁっ」
思わず目を瞑ると、腰に手を回され抱き寄せられる。
それに驚いて、変な声が出た。
恥ずかしくなって下を向くと、上からクックッと笑い声が聞こえてくる。
反射的に上を向くと、光も収まったようで男の顔が見えた。
『到着だ』
「えっ」
回りを見渡すと、小さな部屋ではなく、外に出ていた。
そして、男の背後にはずっしりと聳え立つ大きな城があった。
『我が魔王城へようこそ』
ま、おう・・・じょう?
魔王城って、魔王がいる城のことだよな?
我が魔王城ってことは、この男が魔王?
・・・あぁダメだ。
頭がおかしくなりそう。
ん?待てよ?
この男が魔王ということは・・・
オレ、とんでもない奴に買われたかも・・・
『大丈夫か?顔が真っ青だぞ?』
「だ、大丈夫です・・・」
『そうか。ならいいが・・・』
ヤバイ。どうしよう。
魔王→歯向かう→死ぬ
・・・絶対に怒らすようなことはしないでおこう。
『では、いくか』
その言葉と同時に、オレの身体が宙に浮く。
「っ!」
オレは男・・・もとい魔王に横抱き(お姫様抱っこ)されていた。
「っ!え、ちょ、あの・・・」
『ん?どうした?』
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