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わたしは初めて観るエンディングを、大切に、一回転一回転回した。
総北のメンバーが一人、また一人と小野田くんに声をかける。
「行け!小野田!」
「はい!」
真剣な顔で小野田くんは、そう返事をして前へと進む。
おそらく皆、全力を出しきり、リタイアしたり先頭に辿り着けない状況になったのだろう。
「届けるんだ!このユニフォームを…、総北のユニフォームを!ゴールに一番に届けるんだ!」
小野田くんは必死にケイデンスを上げる。
ペダルを回す。
総北の夢。王者箱学を倒し、インターハイ優勝。
皆の夢を背負い、小野田くんはペダルを回す。
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