前置き 一

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……なんの話だったか…。 あぁ、そう、サボテン! ある日突然に、サボテンは消滅した。 刺々だけを土の上に残して…。 おそらくある日突然ではないのだろう。 わたしはこの二つのサボテンに水をあげた事がなかった。 一年?二年? 年単位で忘れてた上に、サボテンの存在も忘れていた。 台所に置いていた。 リビングに置いていた。 そしてこの時期、わたしは、とある男と一緒に住んでいた。 今後も惜しみなく登場する彼をヒロと名付けよう。 名付けられた本人が、これを読んだら、ここで笑うだろう。
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