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「単なるはちみつレモンと侮るなかれ。俺特製のはちみつレモンは、そこいらのはちみつレモンと一緒にして貰っちゃあ困るぜ。…ほい、レシピ。広めて、広めて。発案者はもち俺で」
「あ、ありがとうございます…」
押し付けがましくレシピを書いた紙を渡すと理玖は律儀に受け取り礼を言う。
きちんと折り畳んで財布に入れる辺り、気に入ってくれたのかな?
美味いものは分け合って共有しないと勿体ないからな。
「んで、ドSになりたいと」
「え?ああ、はい。俺に素質があれば良いんですけど…」
いきなり切り出す俺に理玖は戸惑いながらも頷く。
「理玖はドSは無理じゃない?」
さらりと告げた俺に理玖は慌てる。
「む、無理っスか?でも、俺…っ死ぬ気で頑張ります!」
「だって理玖は泣いている子に追い打ちかけれないでしょ」
「………追い打ち…ですか?」
「そ、酷いこと言ったりしたり出来る?」
俺は真っ直ぐに理玖を見つめてそう問いかけた。
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