絶望

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「あぁ、岡本か。ごめん、ちょっと今 大事な話の途中」 ・・・・・・・ 航が私を優先してくれた 岡本さんよりも・・・私を・・・・ そう思うと、それだけで胸の奥が詰まる しかし。 次の言葉に一瞬 耳を疑う 「ちょっと、航君・・・・・・相場さんはまずいって」 ・・・・・・・・・・・・・・!!? ちょっと、待て。 ほかの人が言うなら分かる。 が、お前がそれを言うか?!! 「え?何がまずいんだよ」 ・・・・・そうですよ。 何がまずいのよ。 「・・・・いや、なんでもない。 それより私も困ってる事あるんだよね。話、聞いてほしくて」 ・・・・・・・・・おいおい。 岡本さつきって、こんな奴だったんかい!!! 一気に、先日助けた事を後悔する そういえば、あの日 連れ出したときも お礼の一つも無く 無言で走り去りやがったな・・・・・ 俯いて怒りを堪えていると 「わりぃ、凛。話はまた明日な。」 「あ・・・・」 思わず呼び止めようと手を伸ばすと 「相場さん、ちょっと・・・」 岡本さんに何故か遮られた そして耳元で ____「自分の立場考えてよね。航くんに迷惑かけないで」 ・・・・・・・・・・・・・。 何もいえなかった 航に迷惑はかけたくないのは 確かだから・・・・・・ そして この日が 私が『こけし』として航と話した最後の日となった
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