8話 歌手になるまで

6/11
1586人が本棚に入れています
本棚に追加
/305ページ
龍一のマンションに帰って、私の荷物を片付けさせて貰った。 んふふ。同棲だあ!龍一と同棲!本当に嬉しい! 「明日、学校終わるの何時くらい?迎えに行くよ」 「4時には終わると思うんだ。それからスタジオ?」 「そう。これから忙しくなるけど頑張ろうね」 「うん!」 ………と、いい返事したけれど、本当は学校行きたくない。 信明の流した噂のせいで、クラスメイトが私を遠巻きに見てる。 私と仲良くしてくれるの、今は章子だけ。 『ヤクザの女』や『ヤクザの情婦』とかみんな適当言ってる。 ………だけど、頑張るって、お母さんにも言ってるし、心配かけたくない。 誰とも話さなければいいし。それより歌頑張らないとダメだよね。 「………どうかしたの?」 「なんでもないよ!……今日は緊張したり、いろんな人と会ったから疲れただけ」 「そっかあ……じゃあ今日はおあずけだね。明日歌録るし。お風呂入ったらゆっくり寝よ。明日、頑張ろうね」 「うん」 「あ、聞いておきたかったけど、凜はダンス得意?」 「体動かすのは得意だけど、ダンスって学校の『創作ダンス』しかしたことないよ」 「振り付け……くらいなら大丈夫?」 「やってみないとわかんないなー。レッスンした方がいい?」 「そうだね。時間がある時にでもレッスンの予定入れるね」 「うん」 それから龍一とゆっくりお風呂に入ったら、すぐに眠気に襲われた。 緊張が1番疲れるって本当なんだな。 ウトウトしてたら龍一に抱っこされて、寝室に連れて行かれてベッドに横にされた。 すぐに眠気が瞼に降りて、私、そのまま寝てた。 朝、ギリギリで起きて、マンション飛び出した。 「4時に迎えに行くからー!」 「はーい!行ってきまーす!」
/305ページ

最初のコメントを投稿しよう!