1話 私について

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「んああ……すげえ!……はあっ、はあっ、……凛、イク!イク!んううっ」 思いきり口の中に出された。 だけど私の快感はまだおさまらなくて、ソレを飲み込んで体中ビクビク痙攣してた。 「まだイク?……すげえな。凛って好き者」 一瞬、頭が冷めた。 その言葉になんだか起こされた。 だけど、快感はまだ続いて、そのオモチャで何度もイカされた。 体、めちゃくちゃ気持ち良くてとまらなかった。 終わって、ティッシュの箱ごと渡された時に何かキレてた。 制服、さっさと着て 「…………帰るね」 と、信明の顔を見ずに言った。 「おう。またコレ使おうな」 信明の明るい返事になんだか虚しさが溢れた。 信明の家を出て、なんだか寂しくなった。 なんか、違うね。 私の体は快感を求めまくったけれど、心にポッカリ穴が空いたみたい。 『好き者』かあ。そうなのかもね。 凄い気持ち良かったもん。 私って、淫乱なのかもしれないなあ。 それから電車に乗ったけれど家に帰るのがなんだかイヤで、途中の繁華街がある場所の駅で降りた。 街にはまだ学生もウロウロしていたけれど、夕方だってのにもう酔ったサラリーマンもいた。 ゲーセンの前でキャッキャッしてる女の子達。 仲良さそうに腕組んで歩いてるカップルとすれ違った。 露店の横にギターを出して座りながらいじってるお兄さんが居た。 なんだか泣きそうでそのお兄さんの前にしゃがみ込んだ。 「お兄さん……何か歌って?」 「残念。今、ここで歌うなって注意されたんだ。引き上げるとこ」 「なんだ………つまんない」 「………俺、楽しい。お姉ちゃんパンツ丸見えだし」 「丸見え………興奮する?」 「うん」 お兄さん、ギターをケースにしまって私を見た。 あ、カッコいい。 顔、好み。めちゃくちゃ顎のラインがシャープなのに目が大きい……ってか、黒目が大きいのに切れ長なんだな。まつ毛びっしりで綺麗な目。 印象的かも。目力っての?あるなー。 20半ばかな? 「お兄さん……私としない?」 なんでか誘ってた。 自分を確かめたかったのかもしれない。
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