1596人が本棚に入れています
本棚に追加
/305ページ
2話 お兄さんとのセックス
「は?……お金欲しいの?」
「ううん。……なんとなく」
「美人ちゃんが自分を大安売りはダメだよー。ちゃんと彼氏としなさーい」
「彼氏居ないもん。じゃあいいや、他の人に声かけてみるし」
「ちょっと、ちょっと!……お姉ちゃんさ、何をヤケになってんの?……ま、暇になったし、お兄さんが話くらい聞いてあげよう。片付けるまでまっててね」
って、お兄さん軽くウィンクしてギター片付け、敷いてた段ボールも畳んで隅のゴミ置き場に置いてた。
私の側に来て、背が高いのに驚いた。
歌聞いてないけど、もし売れたらファンできそうなくらいカッコ良かった。
なんかオーラが違う気がした。
じーっと見てしまった。
「さて、じゃあお話しようか?……喫茶店とか行く?」
「……私としたくないの?」
「んー、したい。うん。したいかな?でもお姉ちゃん絶対にヤケになってんのくらいわかるよ。そんな気持ちでセックスしたら後で絶対に後悔するからやめなさーい」
………なんだかめちゃくちゃ子供扱いされてる気がする。
いや、子供扱いしてんな。
私は逆にムキになった。
「しないならいいの。じゃあね」
「待て!…待てって。……あのさ、俺がもし病気持ってたらどうするの?……変なお兄さんで、後からワラワラと怖い人が出てきたらどうするの?」
「………そ。なら、余計いいや。じゃあね」
ちょっとびっくりした。本当にそうだったらどうしようって、今更思った。
私ってバカだな。
本当にもう帰ろう。
駅に向かおうとクルリとお兄さんに背中向けた。
「わああ!やめなさいって!なんでセックスしたいの?」
………いや、もう帰ろうと思ってるんだけど。
なんだか、面白いかも。
「えっと、自分が淫乱かもーって悩んでて、確かめたかったんだよね。……だから相手は誰でも良かったの。他の人探すー!どういう人ならいいかなー?」
もう、冗談入ってた。お兄さんからかってただけになってきた。
最初のコメントを投稿しよう!