8話 歌手になるまで

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次に連れて行かれたのは会議室。 長い机に椅子がズラーと並んでて、10人以上が座ってた。 もう、私石になってた。 なんだかよくわからないまま、挨拶された。 「マネージメントの『湯川』です。よろしくお願いします」 と、20代後半くらいの男の人。 「メイク、衣装担当の『早田』です。よろしくお願いします」 と、20代半ばくらいのメガネの女の人。 「宣伝担当の『山口』です。よろしくお願いします」 ………全然覚えらんない! そんな感じで次々に10人以上が私と龍一に挨拶していった。 で、龍一が曲の打ち合わせに入って、私は私で最初のイメージ衣装を決めようと衣装担当のメガネさんと会議室を出て、衣装部屋に入った。 衣装がズラーっと掛かってる部屋に入って、圧倒されまくり。 「凜ちゃん、よろしくね。早田です。曲のイメージからするとカッコいい感じな衣装がいいかな?」 「うわあ!は、はいい!」 「ふふ、緊張するよねー。でもそのうちに慣れるから大丈夫だよ。で、凜ちゃんの希望な衣装ってある?」 「あ、あの……ずっと路上で『エロカッコいい』服着てたんで、そんな感じって大丈夫ですか?」 あの路上で何度も聞きに来てくれた人達を思うと、またいつか出会いたくて、路上ステージの時のままがいいって思った。 「肌の露出、大丈夫?」 「ん!そういえば来月の、ううん、今月の『want 』にほぼ裸で出ます!わああ!忘れてたー!」 「『want 』の?!モデル出身?」 「ち、違うんです!手伝いでにわかモデルしただけなんですけど…」 「へえ。でもいい時期にモデルやったね!宣伝なったね。じゃあ露出ある服大丈夫だね。……こんなのかな?こっちもエロカッコいいし……凜ちゃんどっち着てみたい?今日はイメージだから選んでいいよ」 クラッシュシャツで、体にフィットした上着にショートパンツを選んだ。 「じゃ、そこの奥に着替えるとこあるから着替えてね。着替えたら、さっきの会議室に来てね」 「はい」
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