8話 歌手になるまで

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学校、やっぱり落ち着かない。 章子は気にしてずっとわざわざ話かけに来てくれてるんだけど、信明の机の周りには信明の取り巻きみたいな連中がいて、私をチラチラ見ては「ぷー、クスクス」とか「……ヤリマ」とかヒソヒソ聞こえてくる。 わざと。だね。イジメの心理って凄いな。 動物園の猿か。お前ら。ボス猿が言う事が1番正しいのか。 「凜!おはよ!今は順調?」 「章子、おはよ。んー、なんだかんだ決まってきたの。忙しくなってきたよ」 「………信明達の事、気にしたらダメだからね!本当に腐った奴等!強姦できなかったからってバカみたい!」 「今は……それ以上頑張らないといけない事があるから、大丈夫だよ」 「私さ、信明が一緒のクラスになった時から信明ってキライだった。凜が好きだったから言わなかったけど、ちょっとクラスの人気者だからって、どこかでいつも人を見下してたんだよね」 「………私、気づかなかった」 「凜、あの取り巻きの1人だったんだもん。一緒になってたらわからないよ」 「そっかあ……バカだったわ」 「その中で『好き』って態度でスタイルいい凜を自分の性欲処理に使ってて、腹立ってたよ」 「私の態度、モロだったんだ」 「凜に拒絶されてから、噂だけど絵理子に乗り換えたみたいだよ。また彼女にはしてないけど、しょっちゅう2人きりで居るよ。……もう本当にムカつく!」 「気にしたらキリないから気にしないようにするよ。……あ、あのね。私のデビュー曲決まってね、衣装がね……」 話題、反らした。……もうただでさえヒソヒソされ、噂されてるのにこれ以上こんな奴等の為に私がぐちゃぐちゃになるの、イヤだ。 本当にもう関わりたくない。 学校が終わって、ヒソヒソから解放されて迎えに来た龍一の車に飛び乗った。
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