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2.マイルストーン
--マイ--
私のお仕事、それは家政婦からお友達まで、何にでもなることです。そんなキャッチコピーで売り出された私ですが、派遣先の少年をマスターと認めることはできませんでした。
なぜかというと、少年の正体はロボットだったからなのです。私は悩みました。お仕事はしたい。でも、ロボットに仕えたくはない。そこで私は、田口さんをマスターと認め、田口さんの命令でポン君のお友達になったのだと自分に思い込ませることで精神の安定を図ったのです。
自分で自分を思い込ませるロボット。そんなロボットが他に存在するでしょうか。またロボット史に新たな一ページを記してしまったようです。まったく、私は罪な女ですね!
ということで、今日も今日とて、私のみなしマスターである田口さんのもとに指示を乞いにきたというわけです。
「たーぐっちさーん! おはようございまーっす!」
「あら、おはようマイちゃん、今日も元気がよくてうらやましいわ」
「元気の良さが私の取り柄ですから!!」
「それって、ロボットの取り柄として成立するのかしらね……」
「まあまあ、細かいことはいいじゃないですか! それより、何かお仕事はありませんか!?」
「お仕事っていうか、お願いならあるわ」
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