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施設では博士が前を歩き、私はそのあとについていきました。受付で博士が要件を告げると、受付カウンター奥のほうから田口さんという女性の方が出てきました。
「やあ田口君、久しぶりじゃあないか」
「お久しぶりです」
博士と田口さんはお知り合いのようで、そんな挨拶を交わしました。
「あら、ということはその子が?」
「初めまして! 私はマイロボのマイです! これからよろしくお願いします!」
「やっぱりそうなのね! 本当に人間にしか見えないのね」
「ありがとうございます!ところで、田口さんが私のマスターですか?」
「違うわ。あなたのマスターのもとにこれから案内するわね」
「ありがとう。助かるよ」
博士は田口さんにお礼を言いました。
「お二人はご友人ですか?」
私が田口さんにそう尋ねると、田口さんは首を横に振りました。
「友人なんて畏れ多いわよ。博士は私の学生時代の恩師でね」
「そういうことだ。だからさっきも言ったろう」
博士にご友人はいないと聞いたのは確かですが、本当にいないなんてことはないだろうと思っていました。博士、友達マジでゼロ人説が立証されかかってしまい、私は少しだけ悲しい気持ちになりました。
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