1.マインドコントロール

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--ポン-- 部屋の扉が三回のノックの後、ガチャリと音を立てて開いた。 「ポンさん、例の子を連れてきたわよ」 田口さんが連れてきたのは、十七歳くらいの少女だった。 「初めまして! マイロボのマイです! これからよろしくお願いします!」 少女がそう名乗る途中、彼女の後ろに、現状この世で最も合いたくない人間である康弘博士の顔が見えた。 「これはあんたの差し金か?」 僕はそいつに向けて言ったつもりだったが、マイちゃんは自分に言われたのだと勘違いしたようで、びくりと反応して顔をあげた。康弘はマイちゃんの一歩前に出て、悠々と話し始めた。 「差し金って、人聞きの悪いことを言わないでほしいね。テレビコマーシャルを見て、マイロボが欲しいという『意思』を持ち、購入したのは君自身なのだから。まあ正確に言えば、『テレビコマーシャル』というよりも、君にあてた『ビデオコマーシャル』というべきかもしれないが」 康弘は昨日の夜中にやっていたテレビコマーシャルが偽物であったことを匂わせた。匂わせたというより、告白したというほうがてきせつかもしれない。面白くない。 「ということは、田口さんもグルだったってことか」 「何のことかしら?」 田口さんは、とぼけたように首を傾げた。 「これが俺の発明というわけさ。面白いだろ」 「面白くもない。この嘘吐きめ」 「なんとでも言え」
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