第二章【力】第十一話【任務】

12/17
572人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
揺れ。 それは、大きな揺れだった。 単なる地震と見るのが通常だが、そうではない。 これはナチの猛獣が持つ特性なのではないかと噂されている。 ミツルギが経験してきた野獣の様な【地震】の能力では無いと思われるものの、であれば猛獣が土魔法でも扱っている可能性がある。 「……駆動兵の時も思ったが、機械なんて人が作らないと動かないものが何故魔法を行使出来るんだ……」 そして、それがブレイブやウィッチでは当然の様に蔓延っている。 「レイド、本当に俺が抜けて大丈夫か?」 ヴィゼルの問いにミツルギは顔を上げる。 「俺一人でも充分だ」 「言うな……うちの大将は」 ヴィゼルは揺れの収まった床に手を付いて立ち上がる。 「生きてまた会おう」
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!