第二話【ナンテ村の異変】

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ガタイが良く、鬼特有の身体能力を頼られての編成だろう。 赤い肌に鬣のように伸びっぱなしの黒い髪と髭、双眸は野生の獣を彷彿とさせ、牙を剥き出し笑う姿には男らしさというものを感じる。 「ワイルドってこういう奴のことを言うんだろうな」 ミツルギが素直に感想を漏らすと、ハクジュは機嫌を良くしてミツルギの頭へと手を伸ばした。 「おうおう、わあってるじゃねえのボウズ」 その手を避けると、ハクジュは快活に笑い飛ばす。 「なんでぇ、ボウズはむさ苦しい鬼よりそっちの姉ちゃんかい?」 「いや、頭を撫でられるのが好きじゃないだけさ」 苦笑し肩を透かすとハクジュは鼻を鳴らす。 「そういう男のプライド持ってるのはいい事さ」
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