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討伐には報酬も出るとのことで、ヒョウカはそれを聞いて参加を決めた様だ。
そうと決まれば、ミツルギも同行する意を伝えるが、それをハクジュは首を振り拒む。
「ボウズ、気持ちは分からなくもねえが、ここは大人に任せとけ」
ハクジュはミツルギの肩を叩く。
「ガキが生き急ぐ必要なんざねえんだ……」
ミツルギは眉根をひそめて、怪訝な顔になる。
で、あれば尚更ヒョウカ一人を向かわせる気にはならないからだ。
「心配すんなって、鬼と獣人だぜ?
猛獣の一匹や二匹どってことねーぜ!
なあ、お前ら!!」
参加を表明した男達が「応ッ!」と反応を返す。
確かに参加を表明した者たちは種族として人よりも優れた者たちばかりだった。
「ガキの、ましてや人間が首を出す事じゃねえ」
思いやっての事なのだろうが、それはこの場においてはとにかく不要な感情の慮りだ。
ミツルギは聞く耳を持たないハクジュに対して、同じ手段を取ることにした。
「なら、勝手に付いていくだけさ」
ミツルギも聞き分けの良いガキではなかった。
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