番外編:六花《りっか》咲く常陽《じょうよう》の楼

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***** 「面接の方ですか?」  夢で見た史淑妃、夫の死後に権勢を握って周朝を揺るがせた慈恵太后にそっくりな彫り深い面輪の、しかし、瞳は碧くはなく漢族と変わらず黒い、ウイグル族出身らしい受付嬢は尋ねる。 「はい。三時からの予定です」  瑞華は早くも緊張した面持ちで答えた。 「それではそちらのエレベーターから五階にお越し下さい」  受付嬢はどこか冷たく澄んだ声と儀礼的な笑顔で示した。
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