六花の女将軍
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陛下のこの気紛れな遠駆けに付き添うのは、后妃では私だけだ。 他のことではさして目立つ場面もないが、この一事を以て「女将軍」と呼ばれている。 もともとさしたる容色でもなく、しかも陛下より五歳も上の私が後宮に上がったのは、一命を
擲
(
なげう
)
って異賊を撃退した大将軍の父の余光だ。 「女将軍」には、恐らくそんな揶揄も込められている。
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