六花の女将軍

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「ずっと側にいて、わしを死ぬまで守ると言ってくれ」  十七になったばかりの陛下が涙混じりに呟く。 「六花がきっとお守り致しますわ」  近頃、急に幅と厚みを増した肩を撫でると、ぎゅっと私の寝衣の胸を掴む手が強まった気がした。  カッと体の血が熱を持ってざわめくのを感じる。 「ずっとお守り致します」  私の胸に頬を寄せた陛下は熱い吐息を吹き掛けるだけで何も言わない。
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