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「え?」
カツンカツンッとヒールの音が鳴り響く。
男なら誰もがしゃぶりつきたくなるような、引き締まった長い足。
その艶めかしい足に見とれていたせいで、男は真正面にまで来ていたその足から顔を庇う間もなく、強烈な蹴りを食わされた。
「ぐふぅっ!」
顔面にヒールが食い込んだ時に、嫌な音がした。
それと同時に、凄まじい痛みと鼻血が噴出する。
「うがぁぁぁっ!」
鼻を押さえ、のたうち回る男を見下ろす一つの影。
「貴方……“誰の”のことなのかすら見当もついていないんでしょう?」
仰向けになり、ヒィヒィと情けない声を上げている男の喉仏に爪先がねじ込まれた。
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