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「はぐぅぅっ」
苦し気に呻く男を覗き見るサイは、「フンッ」と鼻で笑った。
「ここがどこか分からないの?」
咳き込むか咳き込まないかといった絶妙な力加減で、爪先で喉仏をゴリゴリと転がされる男は、目を見開いた。
目覚めてすぐに、この部屋がどうなっているのかは確認した。
周囲を見渡しても、暗くてよく見えず、窓がないことぐらいしか判断できなかった。
けれど今、隣の部屋から差し込む光によって、ぼんやりとではあるが、内部の様子が浮かび上がった。
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