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「むげんだい……げんせき……」
必死に理解しようとする少年の姿を見た男性は、満足気に目を細め、「手を出してごらん」と言った。
素直に両手を差し出す少年の手の平に、小瓶の中から黄色の粒を選んで落とした。
「これは魔法のお薬だよ」
「魔法?」
「そう」
少年の顏を覗き込み、男性はにっこりと笑った。
「これを食べると、すごく足が速くなるんだ」
「本当っ?」
目を輝かせて食いつく少年に、「本当だとも。私が一度でも嘘を言ったことがあったかい?」と確認すると、少年は首を横に振った。
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